豊かさを構築する

2014年6月18日

はい、どっと・ちゅーにんぐ(=^o^=)やまねこ庵の雨安居の一日です。
「暮らしを豊かにする」というテーマについて考えていました。
漠然と豊かであることは「お金が豊かで生活安定して健康」と考える人も多いのでは、と 思います。勿論、健康で裕福であることは豊かさの一つのシンボルでしょう。
そして、良き人間関係や教養や社会的名声や評価・・・これらをステータスとして豊かさ を感じるのが一般的と言えるでしょう。
しかし、それは「外的な豊かさ」であり、内的な豊かさを保証するものではありません。 社会的地位も評価も経済的成功・安定も「外から与えられる」モノである以上は、「わたし についての何か」であり「わたしそのもの」ではありません。
遠くから見て裕福で豊かさ、幸せ基準を満たすことがそのままその人の幸福度を保証して くれないところが人間の複雑なところですよね。
さてさて、もともと外的で豊かにあることが困難な場合は人はどんな豊かさを求めるか?
ソクラテスという人は「幸福について考えるのが哲学の発端」と語りました。
「良く生きる、良き生き方とは何か?」と問うことです。
後世、功利主義の哲学者J.Sミルは 「満足な豚であるより、不満足な人間である方が良い。 同じく、満足な愚者であるより、不満足なソクラテスである方が良い。 そして、その豚もしくは愚者の意見がこれと違えば、それはその者が自分の主張しか出来ないからである。 」
ミルは人間にとって「自由」が有用であるのは人間を幸福にしてくれるからだと説き、 最大多数の最大幸福を主張するベンサムを擁護しました。
近世の自由論は必ず「経済」を含んでいます。お金を幸福の必要条件としているのです。 分かりやすく言うと「十分なお金があれば幸福に必要な条件が整う」。
にもかかわらず、十分なお金がないためにその必要な整っていない人は多いと思います。
やまねこは、外的な豊かさを求めることは決して否定するものではありません。 あらゆるビジネスは外的豊かさを構築したり、分配したり、編成したりするものです。
スパイラルなビジネスを考える場合この「内的豊かさ」というテーマを確保したまま 外的な豊かさを構築するということなのだと思います。
「ハングリーであれ、愚かであれ。」 というスティーブ・ジョブズの言葉がこのミルの言葉を下敷きにしたものだということが お判りでしょう。
ジョブズはミルの自由論をひっくりかえして「愚かさ」を自由と構築力に変化させる イノベーションの必要性を訴えたのです。
それは功利性よりも創造性、外的豊かさよりも内なる豊かさの優位 お金よりも燃えるような人間の意志力の偉大さを称揚したということなのでしょう。
十分なお金がないために悩む必要はありません。 幸福に必要なことを知っていることをわたしたちは「内的な豊かさ」と呼んでいるのです。
現代のモバイル・ツールとネット社会の発端に立つこの発想を「基本に帰る」ためにも スパイラル・ビジネスに活用するのもいいかなと思います。

※スパイラル・ビジネスとは
持続可能性とコーポラティブなコンセプトをベースとしてリニアーに進むビジネスよりもスパイラルな時間軸をビジネスに導入するものです。
一つのプロジェクトがもう一つのプロジェクトと連携したり、補い合ったりサポートしあったりできるような循環構造。前進しながらも常に基本にフィードバックできるようなシステム、一度試みたことが重層的に回帰するような配慮を生かしながらスパイラルな前進を目指すビジネス。

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