『暗黒神話』 諸星大二郎著(書評)

『暗黒神話』 諸星大二郎著  『孔子暗黒伝』諸星大二郎著

2008年2月7日

神話的思考について考えています。現代ほど神話的思考を必要としている時代はありません。
レヴィ・ストロースが「悲しき熱帯」で描いて見せたように過去を現在として体験するブリコラージュを試みてみたいものです。

わたしが高校生の頃に近所の散髪屋さんで発見した漫画「暗黒神話」は、神話的思考豊かな作品ですが、最近の「新世紀エヴァンゲリオン」にもその影響が見られます。
徹底したフィールド調査、古史古伝、遺跡調査、神話の掘り起こし、日本各地をつなぐ遺跡と伝承の足跡調査などを背景に生まれたこの作品は、第一回の手塚治賞を受賞しています。手塚氏の絶賛を浴びての受賞と記憶しています。

主人公、大和武少年は古代遺跡めぐりの好きな少年。遺跡めぐりをしているうちに不思議な老人、竹内に出会い、神話の渦の中に徐々に巻き込まれてゆきます。父親、母親の秘密、出生の秘密を求めて出雲へ、諏訪へ、九州へ・・・・そして内面では神代の古代がやがて形をとり始め、古事記・日本書記神話の裏側の世界へ・・・。

「神々とは、崇拝されてきた存在ではない。恐れられ、忌避されてきた荒れすさぶ神、暴風神、破壊をもたらすもの、たたり神なんじゃ。」という竹内老人の言葉が印象的です。
そして、大国主・・・オオナムチと出雲大社、タケミナカタと諏訪大社の秘密の世界へ導かれる。ヤマトタケル神話、ヒミコ伝説、菊池一族の陰謀など・・・古代から現代、そして未来に駆け抜けてゆく壮大で神話的な宇宙を予感させてくれる一書です。
続編でもある「孔子暗黒伝」は中国の古伝、インド神話につながり、ふたたび暗黒神話に回帰するというデュアル・ストーリー。エヴァの主題歌「少年よ、神話になれ」のフレーズは「暗黒神話」以来のモチーフのようです。
わたしの高校時代? これも古代史に属しますね。(^o^)

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“『暗黒神話』 諸星大二郎著(書評)” への2件の返信

  1. 諸星大二郎の漫画は良いですねえ。YouTubeで暗黒神話の途中まで見ました。
    今、彼の「生物都市」を読みたくてしょうがないです。

  2. 「生物都市」は、「彼方より」という短編集にありますね。手元にあるので、久しぶりに読んでみます。

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