2014年3月18日
はい、どっと・こむばんは(=^o^=)やまねこ庵でございます。
かねてから楽しみにしていたシンポジウム『砥部焼とデザイン』に行ってきました。
県立美術館での「工藤省治の仕事と昭和のデザイン・プロジェクト」の平行イベント としてのシンポジウムでした。
基調講演のゲスト・スピーカ―松岡正剛さんの講演に 耳を傾けました。「工芸と意匠」と題するお話は松岡さんの「風流のダンディズム」を 感じさせる粋な語り口です。
日本的な美は「型」を大切にする。「型」を基本に「姿」が現われる。
意匠とは美の編集とデザインである。
意匠のあり方を「態」という。そして「態」は「体」であり、「体」を用いる「用」が ある。 土から「器」を作ることが陶芸の原点。
そして「器量」「器用」と「器」を活かす方法としての「日本の美」。
世阿弥は最小限まで切り捨てていった最後に残るものを「型」と言った。
茶道や武道の「守る・破る・離れる」ものとは「型」である。
韓国の李朝の磁器の美と日本の志野・黄瀬戸・綾部の違い・・・
柳宗悦の古民芸の再発見。 生活雑器の中に美の気配を表現しようとした砥部焼も柳氏によって発見された。
日本はどこに拠り所を求めるべきか? 「日本的方法」とは「型の奥にある面影を求めることである」
編集的なデザインとは面影のアート。三つの「型」がある。
それは元型(アーキタイプ)と原型(プロトタイプ)と典型(ステレオ・タイプ)である。
わたしたちは、日本的方法を通して面影の美学をパッセージとすることができます。
やまねこには、松岡さんの語り口が長年の星霜を経て、クリスタルなきらめきを感じさせ るほどに高度に結晶化しているように思われました。 それはまさに焼き物の美であり、日本的な気配感覚の洗練であり、風流のダンディズムの極致 とも言えるでしょう。
山水ラディカル、侘び寂びアヴァンギャルドと言う松岡さんの「方法日本」はこれからの時代に 必要な視座と思います。