夢の里ライブラリー『Y社長の人生旅行記』

ドームハウス
ライフデザイン研究所(ドームハウス愛媛)

2011年1月18日

はい、どっと・もーにんぐ(=^o^=)やまねこでおますよ。
昨日は、雨宮ぽらんさんと『夢の里ライブラリー』の編集にかかっていました。 まずは、夢の里とべのY社長の巻頭インタビューの草稿作りです。
夢の里本社事務所でY社長と終日インタビューにかかっていました。
幼少期から青年期の思い出をそぞろに語るY社長。その語り口はまるで、長い旅の 思い出を語るように聞こえました。 ライフ・ヒストリーというものは 誰にとっても「個人の歴史を通じて人間を語る」という側面があります。
貧しい時代の貧しい家庭に育ったY社長が青雲の志にめざめて、修行時代から創業に いたるプロセスはこの国の戦後史ともパラレルにつながっていてとても興味深いものです。
お話を聞きながらふとやまねこは、『ジャンピング・マウス』というインディアンの童話 を思い出していました。
聖なる山を求めて旅するネズミの物語です。 旅の終わりにネズミは、偉大な魂を持つオオカミに出会います。病で死にそうなオオカミに 自分の片目を与えて病を癒します。 『さあ、それから、どのくらいたったのだろうか? 彼は眼を覚ましつつあった。どこか遠くで師であるカエルの声が「メディスン・パワーがほしくはないかね?」と言うのを彼は聞いたような気がした。 まだ、生きている! それは、たいへんな驚きだった。だが驚いたのはそれだけではない。目が、見えるようになっていたのだ! なにもかもが、ぼんやりとしてはいたが、あざやかな光りの色彩が飛び込んできた。 「見える! 目が、見える!」 ジャンピング・マウスは、何回も何回も、同じ言葉を繰り返した。ぼんやりとしたひとつの影が、緑色と白い色をしたなにかが、ジャンピング・マウスにむかってやってきた。しかし、いくらいっしょうけんめい目をこらして見ても、そのかたちはぼんやりとしたままさだまらない。 「元気かね、兄弟」と、緑と白のものがいった。「メディスン・パワーを、すこしお分けしようかな?」 「メディスン・パワーを、分けてくれる、ですって?」ジャンピング・マウスはつづけた。「ぜひ、ぜひお願いします!」 「ようし、それならば、その場所で、いちどできるだけ体を小さくかがめて、それから思いきり高くとびあがるがよい」 小さなネズミは、教えられたようにやった。 できるだけ低く身をかがめ、ありったけの力で、思いきり高くジャンプしたのだ! 高くとびあがったとたん、一陣の風が、彼をとらえた。そしてその風は、より高いところへと、見る見る彼を運んでいった。 あの声が、下の方でまた彼に呼びかけた。 「恐れるんじゃないぞ。しっかりと風にしがみついて、すべてを風にまかせるんだ。信じよ!」 ジャンピング・マウスは、言われるままにした。眼を閉じて、風にその身をまかせ、広げたふたつの手で風をしっかりとつかまえた。風は、彼をさらにさらに、空高く、運んでいった。 高く、高く。 ジャンピング・マウスは、目を開いた。世界が隅々までよく見えるではないか。より高いところに昇れば昇るほど、世界がいっそうはっきりと見えはじめた! なにからなにまでくっきりと見えるのだ。偉大なるもののすべてが、大いなる草原が、そこにいるバッファローが、山の岩のうえの灰色オオカミが見えた。 はるか下界に目を移せば、そこには、たとえようもなく美しい湖が、神秘の力を持つ湖が、広がっていた。そして魔法の力を秘めたその湖には、水蓮の葉が一枚浮かんでいて、そのうえに、ちょこんと、あのなつかしい師の姿が見えた。 それは、あのカエルだった。 「おまえに新しい名前をさずける!」 師の叫ぶ声を彼は聞いた。 「イーグル、それがおまえの新しい名だ! おまえは、ワシになったのだ!」
                                         
  北山耕平訳『ジャンピング・マウス』    
今回はY社長の前半生にいたるプロセスをたどりました。
『夢の里ライブラリー』なので いくつかのシリーズを企画してゆきたいと思っています。 本の構成やヴィジュアルなど編集作業と並行して、配本などもつめてゆく予定。 今年のライフ・デザイン研究所の『仕事はじめ』になるかな?

『トム・トローバズ・ブルー』トム・ウェイツ 
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