2008年1月28日
『夢見る力』 おおえまさのり著
(作品社)2006年
本の帯に「スピリチュアル思想の先駆者が語る、スピリチュアリティの復権!」とあります。
筆者のおおえまさのり氏は現在64歳。スピリチュアル・ブームにさかのぼること30年。ニューヨークで映画作家活動の後に帰日して、『チベットの死者の書』を世に問いました。
インドでの体験をつづった『空なるものの愛に捧げる詩』以来『超死考』『宇宙の見る夢』『スピリットの森から』『ミラレパ』『魂の源境へ』など多数のガイアと霊性の復権を問う著作を出し続けています。
ガイアのエコ・イベント「いのちの祭り」の草創期呼びかけ世話人でもあります。
本書は、ドリーム・タイムを生きるというアポリジンの知恵の世界からはじまり、地球環境や社会の危機に陥っているわれわれが、大地から切り離された思考に陥っていることを鋭く指摘して再びドリーム・タイムを生きることが、平和への道であることを語ります。
『平和への道はありません。ただ、平和であることこそが道なのです。』
おおえさんは深みから語りかけます。
スピリチュアル・・・ということがもっぱら個人の中で語られ、ヒーリング・ブームとなっていますがスピリチュアルとは、もともと大地と生命のつながり・・・ガイアへの目覚めであると思うのです。
実は、わたしはおおえさんに学生時代からお世話になり、現在にいたっておりますが淡々と倦むことなく、ガイアとスピリチュアルの核心を問い続け、大地(ガイア)と目覚めのオルガナイザーとして活動されています。
『自己の強固な殻が幻想であること(自己の非実体性)を知ること。それは、全体性への埋没ではなく、自己が他によって支えれていること、自己が創造的な関係の産物であることである。それは、自己のうちに全世界が参入してくるということである。
ドリームタイムの豊かな関係性に支えられて人は、己を世界につむぎだすことができる。
創造とは、ドリームタイムが形となって咲き出でてくることに他ならない』 夢見る力より
魂の根底に誰でも持っている「夢見る力」を呼び覚まし、大地とともに生きるガイド・ブックといえるでしょう。是非、一読をお勧めします。