2009年9月19日
魂のガイド・ブック3 『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』
ルドルフ・シュタイナー著 高橋巌訳 (イザラ書房)
ここ30年親しんでいる愛読書です。 魂の試金石、現実生活ガイド・ブックとわたしは思っています。
超感覚的・・というとあの世のことかな、と思うでしょうが、実はこの世のことなのです。霊的問題について深く立ち入って、現実の中に霊性を見いた出すスピリチュアル・ガイドとして お勧めです。
また魂の音楽の書とも言えるかもしれません。楽器を調律するように魂を調律してくれるからです。 魂のチューニングが合わないとわたしたちは、「悩み」という不協和を感じます。
もっぱら、神秘学の行法指南書として、紹介されることが多い本書ですが、ゆっくり読んで、生活 や人間関係とつながる部分に注意してみるのも一考です。 わたしたちが、住んでいる世界の美しさが見えてくるかもしれません。
シュタイナーの多くの著作が、難解としり込みする人もいますが、「読み方」の工夫として、ゆっ くりと読むことをお勧めします。 いわば、曼荼羅形式で書かれていますので、魂にしみ込むように理解が進むと思います。
シュタイナーは、折に触れて古代の霊性と近代人の霊性のあり方の違い、時代精神の影響に ついて言及しています。 かつて、神々の啓示を集合的・全体的に受け取っていた霊的な認識を、現代人は個人の中で “孤独な秘儀参入”として受け取るしか道はないのだと・・・。
そして、孤独な道、魂の旅は自由へと至る唯一の道として、自らを灯りとする自己認識の道 なのだと語りかけます。 それは、自分自身と向かい合い、思考・感情・意志の霊的なメタモルフォーゼへとわたしたち を誘います。