エヴァの体験

2008年1月11日

そもそも、心筋梗塞の臨死体験もわたしの中で「エヴァの体験」と密接なのですが、この病気の誘引となったわたしの仕事も、また別な意味でエヴァな体験だったのかもしれません。
当時、わたしはとある巨大な工場の保守管理の仕事をしていました。
工場ラインの機械のメンテナンスと稼働中のシステム・・主に機械とコンピュータの修復・制御・管理という仕事です。昼夜兼行に及ぶことが多かったせいか、過労と緊張、不眠がたたって心臓がクラッシュしてしまったというわけです。
確かに仕事の過酷さは「シト」みたいなものでしたが、仕事の内容は「エヴァ」な内容です。というの は、機械とラインが稼働中は、トラブルが起きない限りは専ら制御室でマンガばかり読んでいました。
ところが何も異常なしで済むという日は珍しく大抵は何かのトラブルがあります。しかも「突然 トラブル出現」して周囲の状況とラインの流れを破壊し始めるのです。仕事というのは、 こういう機械とコンピュータと電気トラブルを早期に復旧して、もとに流れに戻す作業です。
機械のトラブルは、それなりに金属疲労や磨耗や切断などですから、対処もある程度アウトラインがわかりやすい。ところが電気系統とコンピューターのシステムトラブルはかなり難解です。
突然、エラーという結果だけが知らされるのです。エヴァ初号機ではありませんが、突然原因不明の指示エラーやフリーズには悩まされます。まだまだコンピューターというのはデリケートな機械で温度差や湿度変化の影響に弱い。さらには電気系とも複雑に絡まっているのでデータで動くコンピュータと信号で動く電装のあいだでもトラブルを起しやすいのです。
数々のトラブル。機械の修理などなどで昼夜を過ごしているうちに過労と神経疲労も手伝ってか奇妙な体験をよくするようになりました。
トラブルが起きた瞬間にどこで何が起き、どの指示系統か、末端の機械部分か、動力部分かなどなど が瞬時にある程度感触がつかめてくるのですが、それがあたかも自分の体の一部に異常のように感じられるのです。まるでエヴァの操縦みたい、とわたしは勝手に思い込んでいました。
碇シンジは、14歳ですから40代のおっさんが思い込むには無理がありますね。
年齢はともあれ、機械とコンピューター・システムと人間の間にシンクロ作用か働くのは確かなようです。ガンダムやエヴァンゲリオンのヒットの背景には、IT技術環境が普遍化して機械や コンピュータを当然のツールとして活用する世界になっている現在、わたしたちの感覚体験が拡大され、意識の拡大が起きているせいではないかと思っています。
草創期の鉄腕アトムなどなどのSFアニメの時代には、まだまだ科学への憧れやユートピア的世界観があったようですが、現在はわたしたちは現実に「鉄腕アシモ」に出会っているわけですから、憧れよりもリアルな体験が常にシンクロしてきますね。そして、そのフィールドを通して時にバーチャルに時にリアルに感覚をメタモルフォーゼさせてゆくのかもしれません。

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