お四国遍路に思う

結願寺 88番札所 大窪寺
結願寺 88番札所 大窪寺

2008年1月28日

お四国遍路と言うのは、やはり精神的に癒しとなります。
人生の秋を過ごす人たちと親しく交わってきたせいかもしれません。わたしが参加しているお遍路会はおそらく平均年齢70歳以上のメンバーなのですが、やたらと元気がいいのです。
まだ、40代半ばを過ぎたばかりのわたしには、いい刺激になります。
特に97歳のおばあちゃんとお遍路仲間の81歳のおばあさんにはよく励まされます。
いずれも癌や合併症の持ち主なのですが、山道、遍路道をものともせず歩みを進めます。
果たして、健康とは、元気とはどういうことなのかな・・・と考えさせられる前回の秋遍路でした。
難病・持病に苦しむ人のほうがかえって「元気」なのは、ひょっとして彼ら・彼女らは健康なのではないかと言うことです。勿論、身体的病気は厳然とあるのでしょうけど、精神的にはきわめて元気そのものでなのです。
弱りきって鬱状態の病人をいつも病院で見慣れていますから、病気の人みんながそうではないのですが・・・。
お遍路に出てくる人は、病院でみかけるお年寄りと一味違います。
これを「信仰の力」と一言で割り切れないところがあると思うのです。
病院や介護施設でのリハビリも確かに大切なことなのでしょうが、お四国遍路は天然のリハビリテーショ ンという面があると思います。
札所札所を巡るたびに出会う野山の気、緑なす森や林、険しい道、苦痛に耐えて札所にたどりついたときの安堵感、札所のたたずまい、不自由を助けてくれるお遍路仲間の暖かさ、和気藹々の語り合い、道すがら食べるうどんや田舎料理、そして読経と納経、お先達のお坊さんの説法などなど自然と人間がいわば総合的に癒してくれるのが「お四国遍路の醍醐味」というものでしょうか。
そして、訪れる先々で「お接待」を受けます。これは四国独自の文化といえます。
四国ではお遍路さんに接待をすると功徳が積めるという信仰が現在も生きています。
それは、困っている人を助ける・・といった慈善からではなく、ごくごく自然な風習として四国の人たちが、知らず知らず身に着けてきた習慣であり、美しい精神的風土なのでしょう。
わたしの尊敬するお医者さんはいつもお接待をかかさず、今回も珈琲とアイスクリームをお接待してくれました。お接待はするほうも受けるほうも心温まります。
天然自然のリハビリテーションと人の心の温かさが「元気」をくれます。

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