ケイト・ブッシュとグルジェフ

グルジェフ
グルジェフ
グルジェフの伝記映画「注目すべき人々との出会い」

グルジェフの熱心な信奉者ケイト・ブッシュ、天才 舞踏家リンゼイ・ケンプとのコラボ「神秘の丘」

「神秘の丘」ケイト・ブッシュ

2007年12月4日

映画『注目すべき人々との出会い』 1979年 ピーター・ブルック監督

「雨のしのびあい」「三文オペラ」で知られる鬼才・演劇の魔術師、ピーター・ブルック監督の映画です。原作は、ロシアの神秘学者G.Iグルジェフの自伝的作品「注目すべき人々との出会い」を描いたもの。
幼い時期のグルジェフから、始まります。
思春期のグルジェフ少年はある日女の子をめぐって恋敵の級友と決闘をし、死ぬかもしれないと思う経験をする。
「死ぬってどんなことだろう」
そこで、父に聞いてみた。
「人間が死んだら何も残らないの?」
「魂が残るというが、わしはそう思っておらんのだ。だが、わしは疑いもなく信じている。人間はある経験を通じて、自分の内に繊細な何かを育むことができる。この何かは、死ぬときに一緒に消滅しない。それはずっと後だ。」 幼いグルジェフに畳み掛けるように諭します。
「お前は、自分の主人になりなさい。そうすれば、神も悪魔も問題ではない。」・・・・・・
グルジェフが育ったのは、現在のアルメニアあたり。東方文化とキリスト教が合流している地域です。
墓場から蘇った死体のエピソードや悪魔崇拝者のカタレプシーなど少年グルジェフは、人間への深い謎に囚われてゆきます。
青年期を迎えたグルジェフは仲間と、人間の謎を探求する旅にでます。
「なぜ、わたしは、ここにいるのか?」という究極の問いを求めて・・・。
そして、イスラームの賢者、神父たちを尋ね歩き、失われた古代の叡智が守られているという教団サルマン・ブラザーフッドの本拠にたどり着きます。砂漠、荒地、険しい山岳地帯を越えるスリリングなシーン。たどりついた教団で、イニシエーションを受けるシーンは圧巻です。
かつて師であったルボドフスキー候はグルジェフに語りかけます。
「君がここまでたどり着いたのは、君は眠りこけていなかったということだ。
 何者にも破壊されることのない内なる力をここで学びなさい。
 人生に戻るのは、それからだ。」

この映画は、ブルックが全精力を傾けた作品と言われていますが、当時のアフガニスタンでの現地ロケ、主演のドラカン・マクシモヴィックなどアフガンの俳優・スタッフが多数を占めています。
描かれた舞台がその後、戦争によって壊滅されたことを思うと「人間は眠っている」というグルジェフの言葉を想起せざるを得なくなります。
(原作『注目すべき人々との出会い』 G.Iグルジェフ著 星川淳訳 めるくまーる書店)

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