2022年4月3日
10年前に生後3か月でやってきたヤギの夢ちゃん
先月末に亡くなりました。人間で言うと100歳で大往生でした。
来た当時はなんと愛らしくあどけない姿でしょう。
ロープで絡まって身動きが取れなくなったり、メ~と鳴けずメッ鳴いていた頃が懐かしく思い出されます。
1年後はブドウ園の草食べ部隊で戦力になってくれましたっけ。
夢の里の事務所の2階からひょんと飛び降り、頭突きをして壁に穴をあけ、事務員さんが近寄れないほどのやんちゃぶり。
義母が「山羊は野生が強いから犬のようには懐かない。飼い主1人だけに懐くもの」と言っていましたが、夢の里のY社長だけには良く懐いていました。
ここではヤギは1匹だけなので、ブドウ園を辞めた時、ヤギ仲間がいる高知のヤギ牧場に連れていきましたが、Y社長が居ても立っても居られず会いにいくと、側に寄って来て離れなくなり、また連れて帰ったということもありました。
Y社長が、夢の里の敷地内の草刈りをする時は小屋からだしてもらい、敷地内を自由に歩き回っていました。
スイカが大好きなグルメな夢ちゃんは相当なおデブでした。
美味しいものを知っている夢ちゃんは育てている野菜も片っ端から食べてしまうので、こっぴどくY社長に怒られていましたっけ。
山の崖でも簡単に降りたり登ったり、やっぱりヤギの脚力はすごいなと感心したり、
小柄なY社長とおデブの夢ちゃんのコンビが面白いと大笑いしたり、何かと癒しになってくれた夢ちゃん。
宅配屋さんが、「歩いていたヤギが急に倒れた」と家にいたお隣の奥さんに知らせてくれ、駆けつけると、立ち上がることが出来ず、ぐったりしていた夢ちゃん。
草刈りをしていたY社長を探し出し、事情を話すと、Y社長が軽トラで駆けつけました。
「夢、家に帰るって飴食べよう。」と話かけると「め~~」と初めて返事をしたそうな。軽トラに載せて小屋の近くまで来て止ると、夢ちゃんが「め~~め~~」と鳴き始めたので、Y社長が夢ちゃんをシートに載せて引きずって小屋に連れて帰ったら、その1時間後に息を引き取ったそうです。飴もちゃんと食べました。
「夢は最後まで自分の意志を持っとたな。家に連れて帰れとワシに言うたんよ。」
自由に生き、意志を貫徹し、大好きな人に看取られて逝った夢ちゃんの生涯は如何なものでしょうか?
医療の進歩で人生100年と言われる時代ですが、最後まで自分の意志を持ってあの世に旅立てる人はどのくらいいるでしょうか?
夢ちゃん、10年余りの生、人間では100歳ですか、大往生でしたね。
放し飼いにされて好きな物を食べて幸せな山羊生だったと思います。
ご冥福をお祈りします。
3年程前からお腹が腫れていたので病気だったようですが、普段と変わらず自由に遊んでいて、倒れて約1時間後にご臨終ですから野生動物ってすごいなと思いました。人間はどこまでずるずる生かされてしまうのか?毎日介護施設で疑問に思っているものですから、夢ちゃんのような人生の幕引きにしたいとつくづく思いました。