ゴールデン・アップル

2013年6月28日

はい、どっこむ・やまねこ(=^o^=)ねっとでおます。
スティーブ・ジョブズ『神の遺言』を読んでいました。
「彼が生み出した製品には、仏教の精神が漂っている。その天才的な能力のおかげで、世界中にコンピュータが普及し、何十億という人々の頭脳が、ニューロン単位でつながった。“宝玉をちりばめたインドラ網”の創造といえる」 コロンビア大学ロバート・サーマン仏教学教授の言葉です。
少し解説が必要ですね。 インドラ神は、ヒンズーの神様ですが後に仏教では帝釈天と呼ばれます。
弘法大師の『即身成仏義』でも 重々 帝網なるを即身と名づく という表現があります。 帝釈天に張り巡らされた宝玉のようにあらゆる体が珠さながら照り合うのを即身という。 六大無碍にして 常に瑜伽なり とも表現されます。
インドラは、インド最古の聖典『ベーダ』の主神であり、“宝玉をちりばめたインドラ網”とは、1つ1つの宝玉の輝きは他の宝玉に映し出され、また全体の輝きは各宝玉に反映されるという意味だ。つまり、人間も含め、形あるものは、すべて他とのつながりで成り立っており、人という存在も、空気や大地など、自分を取り巻くものによって成り立っているという、仏教の根幹を成す概念である。
ジョブズは、ホログラフィックなパラダイムをコンピューターの世界に持ち込んだのです。 そして、とりわけ深く傾倒していた禅をジョブズはアップルのコンセプトの中心に置きました。 アップルの基本理念を「フォーカスとシンプルさ」と定義し、 「シンプルであることは、複雑であるより難しい」と語っていましたが、 これも禅の教えそのものです。 ジョブズ氏の徹底したミニマリスト志向も、世界を変えた「iPhone」や「iPad」などの機能や デザインも、禅の理念を彷彿させますね。
ホログラムとしてのコンピュータ・ネットワークの中で暮らすわたしたちは、ジョブズの遺産 のもとにあります。 バーチャルであるということは、「空である」に通じます。 空像としての世界を直観したジョブズは確かに仏教徒なのでしょう。

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