




2009年2月17日
翌日2月1日は、いよいよブッダガヤー平和セレモニーの日です。
早朝食事を済ませて7時にはマハー・ボーディ大塔に参拝に出かけました。
お供の世話人林氏の先導でツアー一行10名は大塔前のセレモニー会場に席をとりました。
チベット僧一万人近くの人たちがすでに集まっています。
会場は、チベットの赤い僧衣で彩られなんとも厳粛な雰囲気ですが、日本の黒い僧衣の感じと違って厳粛な中にもゆるやかな温かみを感じさせます。
隣にはチベット僧の若者たちが陣取ってさっそく五体投地をしています。
お坊さんたちのにこやかでやわらかい笑顔にもアジアンな香りが漂います。
まもなくセレモニーの読経が始まりました。林氏によると文殊菩薩のマントラなのだそうです。
いただいた音写のお経を眼で追いましたが早くてついてゆけません。心でひたすら「オン・マニ・ペメ・フーム」という観音様のマントラを唱えました。これだけチベット僧が一同に集まるのも世界でも少ないそうです。リズミカルな読経の響きに包まれながらしみじみと大塔と菩提樹を眺めていました。
頭上からバラバラと何か落ちてきます。菩提樹の実です。見上げると鳥たちがついばむ菩提樹の実が落ちいてるのでした。鳥は?と見上げるとなんと鮮やかなグリーンの大きなインコでいかにもインドらしい風景・・・時折大塔にも何羽かとまっています。(^o^)/
このブッダガヤー平和セレモニーは1989年に始まり今年ですでに21周年になります。
林氏のお師匠さんのタルタン・トゥルク・リンポチェの呼びかけでチベット仏教徒が旧暦正月にお釈迦様正覚の地で世界の平和を祈る法要として現在ではインドの地に深く根付き、チベット仏教徒のみならずタイ、ミャンマ、ー台湾、韓国、ブータン、シッキム、ラダック、アメリカ、ヨーロッパ各地から仏教徒数万人が集います。
お世話人の林氏は初回から実行委員として毎年来られているとのこと。
トゥルク・リンポチェは、アメリカ カリフォルニア州の山中に広大なオディヤン寺というチベット寺を営まれています。今回は高齢のため本山に留まり祈られているということで、師の娘さんが夫妻で来られました。
中国の軍事侵攻で現在も厳しい状況を抱えるチベット人の「平和の心」の深さを痛感します。
ダライラマの活動で最近広く知られるようになって来ましたが、チベット人は1959年の中国軍事侵攻で600万人の内120万人が殺され、12万人がインド・ネパールなど世界各地に亡命し、国民の多くが中国軍の監視下に置かれ現在に至ります。
今もなお逮捕・拷問・死刑が続いていると言われています。そんな悲惨な運命に中にあっても平和を祈り続けるチベット僧、信徒には本当に頭が下がる想いがしました。多くは難民生活を余儀なくされている人たちなのです。
当日は、午後2時過ぎに読経とセレモニーが終わりました。法要を終えてゆっくりと再び大塔周辺を右回りお参りしました。菩提樹、お釈迦様の母マヤ夫人のストゥーパ、大塔側面の観音様、菩薩様をお参りします。
いたるところにインド・ロータスとマリー・ゴールドがお供えされています。また塔の前庭には大きなダリアの花が咲き誇っていました。菩提樹は花で飾られ、金箔が施されてお香のなんともいえない芳しい香りかします。
平和セレモニー初日を終えて、リンポチェの娘さんからお経配りを手伝って欲しいということで午後はみんなでチベット僧の方々にお経配りをさせていただきました。コンテナ数十台分のチベット大蔵経をなんと無料で配るのです。熱心に並んでお経を待つチベット僧の信仰の深さを感じました。
宿に帰って、林氏から仏教講座をしていただきました。明日訪問のラジキールにちなんだ法華経のお話でした。
(つづく)